飛鳥時代 金銅菩薩立像
¥ 3,000,000 税込
商品コード: nb090
威厳と存在感に満ちた飛鳥時代を代表する名品です。
両腕を屈し、胸前で両手を重ねて宝珠をとる菩薩像です。
厳格な左右相称の像容で、止利派の系統の典型的な作例です。
お顔は少し面長で、目はアーモンドのような杏仁(きょうにん)形です。
鼻筋は通り、仰月(ぎようげつ)形の唇もきりっと結ばれて凛々しく理知的です。
眼差しは優しく、深い慈悲の心に満ちています。
頭部には宝冠(三山冠)を戴いています。
宝冠の文様は、ササン朝ペルシャ系王冠宝飾の影響がみられます。
首の下には、中央で尖った形の逆火頭形の頸飾をお付けになっています。
その下には胸を斜めに横切る僧祇支の衿があります。
正面膝前で天衣はX字に交叉し、その下でU字に垂れています。
両肩には蕨(わらび)手状の垂髪があります。
両側面には鰭(ひれ)状に天衣(てんね)の襞(ひだ)を重ね、下端が大きく左右に開いています。
胸前で両指を組むようにして宝珠をお持ちです。
手指は長めで、宝珠も精緻に彫刻されています。
このような持宝珠像は、そもそも本尊に対して供物を捧呈(ほうてい)する菩薩から始まり、それが宝珠として固定し、更に観音と目されるようになったことから、独尊としても造像されるようになったものでしょう。
裳裾から見える足指も精緻に表現されています。
両足は蓮弁のない蓮肉部が受け、その下は反花(かえりばな)の蓮台になっています。
その蓮台の下には框(かまち)座があります。
天冠帯、腕釧、天衣などには鏨(たがね)で装飾されています。
香煙や蝋燭煤で黒くなっている部分も多いですが鍍金は極めて良好です。
大振りの像で、独尊か脇侍の一躰かは明らかではありませんが、背面まで完全に造られています。
作風は「法隆寺金堂釈迦三尊脇侍像」に近似しており、同じ「法隆寺大宝蔵殿 金銅観音菩薩立像(伝救世観音)」に酷似しています。
杏仁形の目や仰月形の口唇に見る顔容の表現、裳褶の処理など、全て止利派金銅仏の特色を示していますが、いわゆる小金銅仏としては法量の大きいのも注目すべき点であります。
止利様式を忠実に守る形で、飛鳥時代本流の典型的美作であると云っても過言ではないでょう。
この作品には、厳粛な気分へといざなう崇高な雰囲気がございます。
柔和なお顔の菩薩像が持つ、広大無辺の慈悲心は、拝む者に大いなる慰謝を与えてくれるようです。
名品の香気が漂っています。
このお品は、某芸術大学教授の収集品でありましたが、ご親族のご依頼により、出品させて頂いております。
作品サイズ・総高(宝冠天辺から台座を含む)68㎝ 像高(宝冠天辺から足下迄)57㎝ 最大幅(左右鰭含む)29㎝ 框座直径約23㎝ 重量約25kg 箱あり