金銅弥勒菩薩半跏思惟像 白鳳時代
¥ 700,000 税込
商品コード: nb084
【金銅弥勒菩薩半跏思惟像】の白鳳期の名品です。
榻座(とうざ)に腰掛け半跏思惟の姿をとる像容です。
釈迦の入滅から56憶7千万年後にこの世に顕現して、衆生を如何に救済するかを思惟されているお姿です。
お顔は幾分丸顔で、優しいお顔をされています。
白鳳時代の半跏思惟像は童子の顔に造られる小金銅仏の作例が少なからずあります。
この期のものは童貌から、やや成長した少年の如き表情に変わりつつあるようです。
白鳳彫刻に共通してみられる鎬(しのぎ)の立った鼻梁線や、小さめの鼻翼のふくらみ、
富士山形をなす上唇の線など、面相部分に見られるその時代の特色を色濃く残しています。
髪際(はっさい)には毛筋彫りが施されています。
眉間には白毫があります。
頭部には天冠台(三面頭飾)を戴き、髻(もとどり)は単髻(たんけい)です。
天冠帯は頭部後ろで結ばれてから、腰紐である石帯(せきたい)まで垂れています。
垂髪は耳の後ろを通り両肩に掛かり、一束から四条に分かれています。
腕は長く、合わせて胴も長く、そのうえ細く造られています。
思惟手である右手や、衣の上に載せた左手の繊細な指先は、精緻な造りで優雅な雰囲気を醸し出しています。
胸には瓔珞(ようらく)、上腕には花飾のある臂釧(ひせん)、前腕には腕釧(わんせん)が付けられています。
いずれも数種の鏨(たがね)を使い分けて、複連点文(星目)等、精緻な装飾が施されています。
楊座(とうざ)にお座りになり、それに掛かる裳の衣文も複雑で写実的です。
石帯は、腹部正面中央から右脚の上に垂れています。
この石帯には鏨で矢羽根状の斜線が彫り込まれています。
右足は半跏し、左足は反花の上に載せられています。
蓮華座の反花(かえりばな)は子葉が高い複弁になっています。
その下部には上框(うわかまち)が設けられています。
以上、この仏像は仕上げが入念且つ、まとまりの良い像容を示しており、この時代の鋳造技術が飛鳥時代に較べ格段の進歩を示していることを物語っています。
像全面には鍍金がよく残っており、全体的に状態は良いです。
名品の香りが致します。
作品サイズ・高さ19㎝ 幅11.5㎝ 奥行12.5㎝ 重量 約1㎏ 箱あり
このお品は、某芸術大学教授の収集品でありましたが、ご親族のご依頼により、出品させて頂いております。