天平時代 金銅観音菩薩立像
¥ 1,200,000 税込
商品コード: nb083
天平時代金銅観音菩薩立像の名品です。
総高60㎝の大型の金銅仏です。
像容はお顔が体軀に比して大き目です。
痩身ですが、両腕も細くはなく、両脚がやや短い童子形の体軀をされています。
頭部に載る環状飾を配した天冠台の中央には、座化仏がありますので、この仏が観音菩薩であることが分かります。
髻(もとどり)は単髻(たんけい)で、髪際(はっさい)には精緻な毛筋彫りが施され、波打つように左右に分けられています。
観音菩薩のお顔は、はっきりとした目鼻立ちで一重瞼です。
頬はふっくらとしており、小さめの口元には微笑みが浮かびます。
聡明な表情は、清純な少年の顔と云えましょう。
様式的に百花繚乱とも云える白鳳後期から天平に至るこの時期のものは、童貌から成長した少年の如き表情に変わりつつあるようです。
天冠帯はなく垂髪は両肩の納衣(のうえ)に掛かっています。
右手に屈臂して、左手はしぜんに下げて与願の印相です。
天衣(てんね)は腹前下で交叉して両腕に掛かり蓮肉台まで垂下しています。
瓔珞(ようらく)は頸下でUの字をえがき垂下して、腹前の石帯の花飾あたりで、二股に分かれ両膝に接します。
菩薩は蓮肉上にお立ちになり、その下は反花(かえりばな)になっています。
この仏像は全体的に見て、大きさとも相俟って骨太な造りで堂々とした印象です。
慈悲に満ちたお顔と、また威厳をも感じさせる像容は、荘厳な雰囲気を漂わせています。
名品の香りが致します。
このお品は、某芸術大学教授の収集品でありましたが、ご親族のご依頼により、出品させて頂いております。
作品サイズ・総高60㎝ 台座幅23㎝ 銅造鍍金 箱あり