明代 呉須赤絵 魁鉢
¥ 280,000 税込
商品コード: cp055
呉須赤絵の魁手(さきがけて)の名品です。
呉須赤絵とは明時代末期を中心に福建省南部の漳州窯で焼成された色絵磁器です。
下地には乳白色の失透釉が内外に厚く施され、上絵付けは赤色を基調に緑や青色が加えられているのが基本です。
今回のお品は奔放な筆致で、赤色を基調に緑色が効果的に加えられ、花鳥文が描かれています。
天衣無縫の軽妙洒脱な描写には一種の風格をも感じさせます。
見込には魁(さきがけ)の文字が、意の如く堂々たる筆致で揮毫されています。
この見込には日本語の「天下一」・「福」・「玉」の文字銘を描いた例もあり、東南アジアから日本を主商圏としていた背景が窺えます。
中でも呉須赤絵を好んで珍重し、特に魁手鉢を高く評価したのは日本の茶人であり、茶道具の菓子鉢として珍重しました。
鉄分が強い粒子の大きな砂を匣鉢(こうばち)の中に敷いて器物を焼成していた為、底部に砂が付着しているのも特色の一つです。
素朴ながら器形も整っており、風趣に富む作風は、まさに柳宗悦の提唱した民藝の神髄のような作品です。
このお品は口縁の一部に、ごく微少な窯疵があるだけの完品といっても良いお品です。
アガリのよい白磁胎に朱緑の二色の対照が鮮やかで、まさに名品の香りが致します。
このお品は、某芸術大学教授の収集品でありましたが、ご親族のご依頼により、出品させて頂いております。
作品サイズ・高さ7.3㎝ 口径16.6㎝ 高台径7㎝ 箱あり