金銅菩薩半跏像 高麗時代
¥ 380,000 税込
商品コード: KG054
高麗時代の金銅菩薩半跏像の名品です。
半跏思惟の像容の菩薩像で、右手は頬に当てて思惟相を示し、半跏した右足の上に左手を載せられています。
八角形の楊座(とうざ)にお座りになり、それに掛かる裳(裙)の衣文も複雑で写実的です。
左足は蓮華の上に載せられています。
お顔はほぼ正面に向けられているので、そこに届く手は腕が若干長く、胴も少し長く造られています。
頭上には大きな山形宝冠が載っています。
お顔は細面で、目と眉はくっきりとして凛々しい表情をされています。
両耳の耳たぶは長く、天冠帯と一体化しているようにも見えます。
上半身は納衣(のうえ)を着て通肩です。
その上にU字が重なった蓮弁様の瓔珞(ようらく)で飾られており、この表現はとても珍しいものです。
二の腕には臂釧(ひせん)があり、手首には腕釧をお付けになっています。
腰紐である石帯(せきたい)は縄目になっており、蝶々結びになっています。
正面の裳の折れ襞は、右膝頭から放射状に平面的に重ねて、鏨(たがね)で精緻に彫られています。
蓮華座は反花(かえりばな)でくるみ型は膨らんでいます。
珍しく八角形の框座(かまちざ)が最下部にあります。
この弥勒像は唐の影響を受けるなかで、特異な形態の系譜に属していると思われます。
像全面には鍍金がよく残っています。
像の内部には鉄芯が見えます。
像高は小金銅仏と呼ばれる16.8㎝であり、個人的な「念持仏」或いは「懐中仏」として造られたものと思います。
日本でも平安時代から江戸時代にかけて、自分の守り本尊の念持佛を持つことが流行したようです。
本像は小さいながら、細部までひじょうに良く造り込まれ、品格を感じさせる小金銅仏です。
当方では高麗前期と推定しております。
作品サイズ・高さ16.8㎝ 框座6.5×6.5㎝ 重量659g 箱あり