白鳳 銅造観音菩薩立像
¥ 880,000 税込
商品コード: nb063
厳格な左右相称の像容で、止利派の系統の典型的な作例です。
腹前で両掌を重ねて宝珠を執る観音菩薩立像です。
アルカイック・スマイル(古式微笑)を湛えたふっくらとした頬のお顔をされています。
杏仁形(きょうにんけい)の眼差しは優しく、深い慈悲の心に満ちています。
頭部には宝冠(三山冠)を戴いています。
宝冠の真中に化仏を表し、左右側面に花飾が陽刻されています。
宝髷(ほうけい)は単髻です。
頭部後方には宝珠形をした頭光が残っています。
光背はまず中心に六葉型があり、その周縁に法輪のような円輪に包まれ、その外周部には火焔文が表されています。
この火焔は西方浄土に沈む夕陽を表現したものでしょう。
枘と枘穴で取り付けられており、貫は木製です。
首下には、中央で尖った形の逆火頭形の頸飾をお付けになっています。
その下には胸を斜めに横切る僧祇支(そうぎし)の衿があります。
正面膝前で天衣はX字に交叉しています。
両腕に掛かった天衣(てんね)は鰭(ひれ)状にの襞(ひだ)を重ね、下端が大きく左右に開いています。
両肘を屈し両手を胸前に構えて、掌を重ねるようにして宝珠をお持ちになっています。
手指は長めで、宝珠も精緻に彫刻されています。
裳裾から見える足指も精緻に表現されています。
その足は蓮弁のない蓮肉部が受け、その下は反花(かえりばな)の蓮台になっています。
台座の蓮弁は複弁式であり、その曲線もいわゆる胡桃形と云われる、丁度胡桃を半分に切ったようなふくらみのある線になっています。
蓮台の下は円形の框(かまち)座がございます。
像内部は空洞ですが、頭部に鉄芯がみえます。
この作品には、崇高な雰囲気がございます。
この柔和なお顔の菩薩像が持つ、広大無辺の慈悲心は、見るものに大いなる慰藉を与えてくれるようです。
名品の香気が漂っています。
このお品は、某芸術大学の教授の収集品でありましたが、ご親族のご依頼により、出品させて頂いております。
作品サイズ・高さ43㎝ 框(かまち)座直径12.8㎝ 重量3kg 銅造 箱あり