ドイツ 塩釉 髭徳利
¥ 85,000 税込
商品コード: sp028
ドイツ製の塩釉髭徳利の名品です。
髭徳利(ひげとっくり)はドイツでもとても古い時代からある焼き物です。
ドイツ語ではBartmannskrug(バルトマンズクルーク)と呼ばれます。
水差し(ワイン差し・ビール差し)の頸の部分に、髭の男の顔を貼りつけた酒瓶の呼称で、日本では髭徳利とよばれています。
豊かな髭をたくわえた男性(Bartmann)はバッカス(ディオニュソス)のような風貌で、何となくユーモラスです。
髭徳利は、江戸時代後期に日本へも運ばれ、その独特な容貌から異国情緒を感じさせるものとしてわが国でも珍重されました。
この髭徳利は炻器(せっき)と呼ばれるもので、半磁器、焼締めとも云われます。
陶器と磁器の中間的な性質を持つ焼き物で1,100°~1,250°で焼成されます。
そしてドイツの塩釉(えんゆう)炻器は13世紀頃のドイツのライン河畔の諸都市(ラインラント)で作られました。
『塩釉』とは、釉薬の代わりに塩を使う技法です。
焼成中に窯の内部に岩塩を投入すると、瞬時に蒸発したナトリウムと陶土に含まれる珪酸が化学反応を起こします。
そして硝子質の釉に変化し、艶のある特有の光沢を生み出します。
15世紀に入ると、ヘール=グレンツハウゼンやケルンなどの各都市で盛んに塩釉炻器作りが行われました。
今回のお品の底面には【 SS3 MADE IN GERMANY R.MERKELBACH GRENZHAUSEN 】と刻印がございます。
1843年にヘッセン州のグレンツハウゼン(Grenzhausen)の町にReinhold Merkelbach(ラインホルト・メルケルバッハ)という人物が工房を設立しました。
この水差し(ワイン差し・ビール差し)のフォルムとモチーフから推定しまして1910年頃に造られたものでしょう。
状態はとても良いものです。
塩釉の濃淡はございますが、疵はございません。
ピューター(錫、亜鉛の合金)の蓋に歪みもなく、また古色が付き味わいがございます。
これだけ状態の良い蓋つきの塩釉髭徳利は希少でございますので、この機会をお見逃しなく。
アサヒビールの大山崎山荘美術館の所蔵品にこれと類似したお品がございます。
作品サイズ・高さ21㎝(蓋含まず) 横18㎝ 縦18㎝