ヴァルトグラス レーマー杯
¥ 10,000 税込
商品コード: sg022
ヴァルトグラスのレーマー杯の逸品です。
ヴァルトグラスとは森林(wald)を意味し、森林の中に設置された窯で作られたグラスの総称です。
ヴァルトグラスは、アルカリ源として森の植物を焼いた灰(主成分はカリと石灰)を用いている点に特徴があります。
ドイツなどでは中世より、ヴァルトグラスが広く作られていました。
灰の中に含まれる鉄分などで黄緑色や青緑色がかっています。
そしてそれは主に大衆向けに量産されました。
15世紀から17世紀にかけシュタンゲングラスやレーマー杯などが多く作られ、ライン川の下流域のオランダにおいても作られました。
レーマー(Roemer)杯は,15、16 世紀ごろからドイツで作り出された、白ワインを飲むための器です。
器形は中世の土俗的なガラス器より派生し、丸型のボウルに太い脚部、末広がりの台座という典型的な形態に定着したのは、17世紀頃のことです。
台座には紐状ガラス(コイル)が巻かれています。
脚部に熔着されているラズベリー状の突起装飾は、プラント(Plant)と称されるものです。
これは、中世のフォークがなく、ナイフと手掴みで食事をしていた時代、食肉油まみれの手で握る際の滑り止めとして発展しました。
本来、滑り止めとしての実用目的のコイルやプラントですが、そこに光が溜まったり反射したりしてガラスを美しく見せる効果がございます。
今回、出品のお品はその中世のレーマー杯を忠実に復刻したものと思われます。
手造りゆえの口縁の微妙な歪みや、不安定な炉温度ゆえの気泡等、宙吹きガラスならではの素朴さが、温かみを感じさせます。
まさに民藝硝子と云えましょう。
状態は欠けやひびもなく良好です。
作品サイズ・高14㎝ 口径5.2㎝