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銅器置物 養老乃瀧伝説

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¥ 80,000 税込

商品コード: nb024

古今著聞集の「養老乃瀧孝子伝説」をモティーフにした、伝統の歴史を誇る高岡銅器の名品です。

名匠・玉雲の造形力は素晴らしく、樵(きこり)の若者が正に生きているようです。

笑みを浮かべた優しい若者の表情や姿態の表現、烏帽子(えぼし)の質感や着衣の皺の表現は秀逸です。

寄りかかる、縄で括られた薪の束も精緻に表現され、手にする瓢箪の着色も見事です。

左足の傍には小さい頭陀袋と斧が配されているのも心憎い演出と云えましょう。

この作品を眺めていると何となく心が安らいで来るから不思議です。

床置としては勿論のこと、サイズも手頃ですので机上に飾られても良いと思います。

今となっては大変貴重なお品ではないでしょうか。

疵はございません。

作品サイズ・最大幅20㎝ 高さ16㎝  共箱・共裂(ともぎれ)あり

【参考】『養老孝子伝説』

昔、美濃の国に、貧しいけれど親を敬い大切にしている源丞内(げんじょうない)ていう木樵が住んでいました。

毎日山に登り薪を取ってそれを売り、年老いた父を養っていましたが、その日の暮らしに追われて老父の好む酒を十分に買うことが出来ませんでした。  

或る日、いつもよりずっと山奥に登りました。谷深くの岩壁から流れ落ちる水をながめ「あぁ、あの水が酒であったらなあ」と老父の喜ぶ顔を思い浮かべたとき、

苔むした岩から滑り落ちてしまいました。しばらく気を失っていましたが、ふと気づくとどこからか酒の香りが漂ってくるのです。

不思議に思ってあたりを見まわすと、岩間の泉から山吹色の水が湧き出ているのです。これはどうしたことだろうと掬って舐めてみると、かぐわしい酒の味がするのです。

夢かと思いましたが、「有難や、天より授かったこの酒」と腰に提げている瓢箪に汲んで帰り老父に飲ませました。

半信半疑であった老父は一口飲んで驚き、二口飲んでは手を叩いて喜び、父と子の和やかな笑い声が村中に広がりました。

老父はこの不思議な水を飲んだので白い髪は黒くなり、顔の皺もなくなり、すっかり若々しくなりました。

この不思議な水の出来事が、やがて都に伝えられると、奈良の女帝の元正天皇は「これは親孝行の心が天地の神々に通じて、お誉めになったものでありましょう」と仰せになり、

さっそくこの地に行幸され、ご自身もお飲みになりました。

「わたしの肌は滑らかになり、痛む所を洗ったらすっかり治りました。めでたい出来事です、老を養う若返り水です」と年号を養老と改められ、

80才以上の老人に授階や恩賜)があり、孝子や節婦を表彰され、この地方の人々の税を免除なされました。

そして源丞内を美濃の守に任命しました。

古今著聞集より訳文


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